よくわからない不調は慢性上咽頭炎が原因?Bスポット療法(EAT)とはどのような治療?

今回は最近耳鼻咽喉科でもその病態や治療が見直されている慢性上咽頭炎、Bスポット療法について書いてみたいと思います。

 

慢性上咽頭炎は耳鼻咽喉科とは関係なさそうな様々な症状の原因となっており、上咽頭を刺激する外来処置をことで症状が緩和する可能性があります。

 

 

詳しいことは内科医である掘田修先生が出版されている本を読んでいただくと分かると思いますが、なんと頭痛(偏頭痛、緊張型頭痛)やめまい、肩こり、全身倦怠感、後鼻漏、慢性痰、咳喘息、咽頭痛、うつなど多彩な症状の原因が鼻の後ろにある上咽頭の部分の炎症であり、その部分を治療すると良くなる可能性があるというものです。

 

もともと口蓋扁桃といっていわゆる扁桃腺が病気の巣となって色々な病気(IgA腎症、胸肋鎖骨過形成、掌蹠膿疱症)を起こすことは我々が研修医の頃から教科書にも載っており、広く知られていました。

 

扁桃腺を摘出することでこれの病気がよくなることがあり、腎臓の病気や手足の病気が扁桃腺をとることで症状が良くなることは臨床でも経験していました。現在でも治療法として広く行われています。

 

しかし、一部の患者さんで、扁桃腺を摘出したにも関わらず、腎臓や皮膚の病気が寛解しなかったり再発される方がおり、困っていました。

 

鼻の後ろの部分には上咽頭と呼ばれる免疫を司る部分があります。

その部分は幼少期にはアデノイドと呼ばれており、睡眠時無呼吸症候群や強い鼻閉、中耳炎を繰り返すなどがあると扁桃摘出術とセットで切除手術が行われます。

 

これまで上咽頭は癌の発生やアデノイド肥大以外ではそれほど注目されてはいませんでした。

今回この上咽頭に慢性的に炎症があると様々な症状を呈して不調が起こるとのことで耳鼻咽喉科の学会などでも注目されています。

 

また、上に述べたIgA腎症や掌蹠膿疱症の再発などにも効果があるようです。

これまでよく分からなくて対応に困っていた患者さんでもこの病気の可能性がある方が結構おられた様な気がします。

 

 

現在Bスポット療法(EAT)というのが治療として行われております。

これは慢性の上咽頭炎に対して外来処置でその部分を綿棒でこするというものです。

塩化亜鉛というお薬を使います。

 

痛みもあり、少し血もでますが、痛みが強いほど効果が出るといわれている治療です。

効果がある方は本当にこれまでの苦しみから解放できたというぐらい救世主になりうる治療です。

 

 

耳鼻咽喉科に行ってもよく分からずなかなか良くならない症状をお持ちの方は、ぜひこの慢性上咽頭炎を疑ってみても悪くないと思います。

もちろん必ずしもこの病態だけとは限りませんので、かかりつけの医師とよくご相談ください。