アレルギー性鼻炎は治るのか?

今回は“アレルギー性鼻炎は治るのか?”という私が耳鼻咽喉科になって最も聞かれた質問に対して書いてみたいと思います。

 

 アレルギー性鼻炎は、完全に治すのは難しいです。しかし、対処法によっては長期にわたって寛解する(症状をおちつかせる)ことは可能です。

 

アレルギー性鼻炎は長年にわたって耳鼻咽喉科へ通院し内服処方が必要となる病気で、私も小さい頃はずっと近所の耳鼻咽喉科へ通っていました。

 

2020年版の鼻アレルギー診療ガイドラインによると、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎は環境の変化とともに増え続け、20年前には約3割の有病率であったものが、約5割近くにまで上昇しており、国民病ともいえる病気となっています。

 

学校検診をしていてもかなりの数の児童がアレルギー性鼻炎を患っています。

原因としては抗原物質(原因物質)であるダニやスギ花粉の量の増加があげられます。

 

これらの抗原を避けることができれば一番良いのですが、現代社会においてそれは非常に難しく、(もちろん布団やじゅうたん、畳などの洗濯や掃除、湿度を低くする、花粉対策の眼鏡やマスクなどできることはしておいたほうが良いです。)自分自身の体質を変えていく必要があります。

 

これが、なかなか根気がいることですので、手っ取り早い対症療法としてお薬(抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、点鼻薬など)を処方されることが多いです。

 

夏など症状があまりないような時であれば休薬して経過を見てもよいと思いますが、寒くなり症状が出てくるようであれば、お薬は症状が軽いうちから早めに飲んでいるほうが、悪化し生活に支障をきたすようになるのを予防できるため良いかと思います。

 

現在耳鼻咽喉科におけるアレルギー性鼻炎の治療目標としては次の通りになります。

①症状がないかあってもごく軽度で日常生活に支障なく、薬が必要でない状態、②症状が持続的に安定していて、急な悪化はあっても頻度が低く長引かない状態、③抗原による誘発反応がないかあっても軽度の状態。

 

なかなか状態が落ち着かないような重症の方では、鼻の中からレーザーなどを使って粘膜を焼いたり、神経を切断したりするような手術を行うこともあります。

こちらはかかりつけ医とご相談ください。

 

 

自分の体質を変えていく方法としては、まず食生活の改善があげられます。

現在報告されているものとしては、ヨーグルトや乳酸菌など腸内細菌のバランスを整えるようなものは腸管にある免疫担当細胞に働きかけ良いとされ多くの検証がされています。

 

ただこれらでもまだ評価は定まっておらず引き続き検証が必要なようですので、誇大な宣伝広告などの健康食品に関しては注意して購入するようにしてください。

 

いずれにしてもバランスの良い食生活をすることが重要であることは間違いないと思いますので、偏った健康食品に頼ることはやめましょう。

 

 

もう一つ自分の体質を変え、アレルギー性鼻炎自体を治す可能性がある治療としてアレルゲン免疫療法(減感作療法)があります。

これはアレルゲン(アレルギーの原因となっている物質)を少量から少しずつ増やしながら投与する方法です。

 

以前からわが国でも皮下注射で用いられておりましたが、注射なので痛いこと、定期的な通院が3~5年必要でそのたびに注射が必要なこと、まれにアナフィラキシーショックといって急に血圧が下がり緊急で入院などの処置が必要な状態になることがあること、などから一般的には普及していませんでした。

 

 

しかし、2014年より我が国において舌下免疫療法が製造販売承認され、再び免疫療法が注目されています。

 

舌下免疫療法は上記のアレルゲンを皮下注射ではなく、舌の下に滴下することで投与する方法です。利点として注射のような痛みがないこと、自宅でも投与できること、全身的な副反応発生が極めて少ないことから近年普及してきています。

 

2020年の鼻アレルギー診療ガイドラインによりますと、適切に治療を行うと、治療開始から1年程度で症状改善が期待でき、2年後からより高い効果が期待できる、3年以上経過すると治療中止後も長期にわたり有効性の持続が期待できるようです。

 

根本的に治せる可能性がある治療として期待されています。

 

 

以上“アレルギー性鼻炎は治るのか”という質問に対して現在述べられることを書きました。

ご参考になれば幸いです。

 

 

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