今回は“耳鼻咽喉科でも漢方薬処方してもらえるの?”ということについて書きたいと思います。
漢方薬は、自然界にある植物や鉱物などの生薬を複数組み合わせて作られた薬です。
何千年という長い年月をかけて行われた治療の経験で生成され処方されています。
西洋の薬と異なり、化学式を基に研究され合成されたものではありませんが、近年では実際に患者に使用したデータを科学的な研究の基に評価し、効果判定を行うような研究もなされてきています。
耳鼻咽喉科の領域でも、まずは西洋の薬で効果が乏しい患者さんや産科の医師とも相談しながら妊婦さんで徐々に使用されるようになり、現在では最初から漢方を用いる場合もあります。
風邪症状の時の葛根湯やインフルエンザ様症状の時の麻黄湯などは内科などでも使われ一般的です。
アレルギー性鼻炎に対する小青竜湯や鼻炎・副鼻腔炎に対する葛根湯加川芎辛夷などもよく使われます。
耳の領域では、めまいに対する柴苓湯や苓桂朮甘湯、耳鳴りに対する牛車腎気丸、耳のかゆみの原因である外耳道湿疹に対する消風散もよく用いられます。
鼻の領域では、嗅覚障害に対しては積極的に漢方薬である当帰芍薬散が用いられます。
のどの領域では、のどの炎症(扁桃炎や咽頭炎、喉頭炎)では桔梗湯、のどの違和感・嚥下機能低下では半夏厚朴湯が用いられます。
また、のどへの違和感や痛みの原因として胃酸逆流が関与してる場合には六君子湯を処方します。
さらに、慢性の咳嗽や口腔・咽喉頭の乾燥症状に対して麦門冬湯が用いられます。
このように色々な領域で漢方薬は効果を認めるため、耳鼻咽喉科領域でも積極的に処方されます。漢方薬を希望される場合はかかりつけ医とご相談ください。
以上“耳鼻咽喉科でも漢方薬処方してもらえるの?”ということについて書きました。皆さんのご参考になれば幸いです。
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